〜素材と仕事の方針〜

お菓子作りで大事な事は素材や生産者としっかり向き合い、リスペクトを持ってよく理解する。
その上で自分が何を表現したいか、お客様に何を伝えたいかを明確にする事を常に意識しています。
素材には様々な表情があります。
そこには作り手の想いもたっぷり詰まっています。
そのテロワールでしか表現が出来ない味わいがあります。

そこを余すこと無く、私にしか出来ない、私だから出来る形で、商品を通して皆さまにお伝えする事が私の役割だと思っております。

更にただ美味しいだけでなく、心を揺さぶられる何かがあるのか、と言うところが非常に大事だと考えております。

せっかく日本に生まれて日本でお菓子を作るのだから、同じく日本の土地で作られて鮮度も抜群、生産者とも同じ言語でコミニュケーションを取る事ができ、実際に現地にお邪魔して、直にその土地や環境も含めて深く理解が出来る素材を使わない手は無いと考えます。

国産でも知名度が低くあまり人に知られてはいないが、素晴らしい作り手から生み出される極上の素材と出会えることもあります。

長く業界に携わっていますと、自ずとこの素材はここの物が最上とされていると言った先入観に囚われがちになりますが、それを取っ払って自分自身の感覚で捉える事で本当に求める素材に出会えると考えます。

その様な素材は、素晴らしい作り手の熱いパッションによって生み出される事がほとんどで、その方達とも交流を持ちバックボーンを深く知る事で、更に素材に対して愛着が湧き、素材の本当の良さを見極めて、生かすことにも繋がると感じています。

そして、それらの極上の素材を駆使して、今まで自分が培ってきた技術と知見により昇華させたお菓子はただの食品にあらず、体験としてお召し上がりいただくお客様の感動を誘い、いつまでも記憶に残っていく。

そんな仕事を心掛けて日々精進しております。